実録 父親がボケた

<8>わずか半年で介護認定「要支援1」から「要介護2」へ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一度父が粗相した時「ごめんね」と言ったようで、すっかりほだされた母は、「生まれて初めてこの人の口から『ごめんね』を聞いたの」。

 さて、そんな父の状況だが、真夏の不法侵入事件を経て、再び介護認定の区分変更を申請。調査員が家に来て、父のボケ具合を判定してもらうことになった。 

 まず3つの絵を見せた後、別の話題をふり、再び3つの絵のうち、1つを隠して見せる。「ここには何の絵がありましたか?」と聞く。たった1分前のことなのに、父は答えられなかった。「マジか!!」と驚いた。そして約3週間後、「要支援1」から「要介護2」に昇格。

 情け容赦なく父の老化をつづってきたが、まだ寝たきりではない。食事も全部たいらげるし、ダジャレも飛ばす。時に廃人、時に賢者。だからこそ厄介なのだ。

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吉田潮

吉田潮

1972年生まれ、千葉県出身。ライター、イラストレーター、テレビ評論家。「産まないことは『逃げ』ですか?」など著書多数

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