アルツハイマー病が治る? 日本人が世界初の研究結果発表

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

【研究内容】

 バイオフィルムの形成メカニズムがわかり薬で制御できれば、難治化・慢性化した感染症を治療できるのでは? 研究目的のひとつがこれだ。

 目を付けたのが、複数ある分子シャペロンのうち、DnaK。そして、バイオフィルム形成機能があり、大腸菌やサルモネラなどが菌の外側に作るアミロイド線維、Curli(カーリー)。

「カーリーの産生にDnaKが必須であることは過去の研究でわかっていましたが、今回初めて判明したのは、『DnaKが、カーリーの遺伝子発現に必須な2つのタンパク質を“世話(分子シャペロン)”する』『DnaKが、細胞質でタンパク質(カーリーを形作るのに必要)が凝集するのを防ぎながら、細胞の外に正しく運ばれるのを助け、カーリーが産生される』ということです」

 つまり、DnaKの働きを抑制すれば、大腸菌はバイオフィルム形成などの機能を持つカーリーを産生できない。では、何を用いればよいのか? それが国際学術誌「Scientific Reports」に同じタイミングで発表した研究だ。

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