入院後、点滴による抗がん剤治療が始まりました。1回目の治療後から腫瘤は明らかに縮小し、3回目終了の頃には瘢痕程度になって、そして5回目の頃には全く分からなくなりました。
Gさんは埼玉県のある山あいの町に住んでいました。入院中、治療効果が明らかになった頃から、Gさんはとても明るくなり、自分の家の畑のことを盛んに話されました。「汗を流して自分で耕すけど、野菜もイモも自然が恵んでくれるんです。土と太陽と雨とで育つの。大自然の恵みは素晴らしい。私たちには大自然に生かされている喜びがあるのよ」
■摘みたてののアスパラガス
Gさんはすっかり元気になって、外来での通院治療となりました。治療開始から約1年半が経った翌年6月、外来の診察に来られた際のことです。この時もGさんはとても元気で、1カ月後の再診予定をして帰られました。
がんと向き合い生きていく