夏は人を暴力的にする…人生を棒に振らないための脳生理学

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「かつて行動性体温調節は皮膚温度の変化を意識した上で行われると考えられてきました。しかし、マウス実験で行動性体温調節の一部は自律性体温調節と同じく“暑さ、寒さ”を意識することなく行われることがわかりました。人は気温が上がると体温調節のために無意識のうちに膨大な仕事をこなす。そのストレスがイライラの正体かもしれません」(永島教授)

 体温調節をつかさどる視索前野は、性欲の中枢でもある。体温調節で視索前野が活性化すると、機械的に性欲も高まる可能性がある。男性の生理に詳しい弘邦医院の林雅之院長が言う。

「その理由はハッキリはわかりません。ただ、男女ともに薄着になるとか、夜出歩く機会が増えて性への欲求や思いという感情的なものが高まる以外に、機械的な生体機能の反応によって性欲が高まる可能性があることを知っておくべきです。たとえば男性ホルモンであるテストステロンの分泌は夏場に向けて高まっていきます。このホルモンは男性に多く分泌され、攻撃行動や性欲の高進などに影響を及ぼします」

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