■小林麻央さんも診療忘れ
では、患者として診断結果の伝達ミスを防ぎ、適切な治療を受けるにはどうするか。検査の結果はどんなことでも、リポートを受け取ることが大切です。血糖値や脂質など血液検査の結果は、受け取ることがほとんどでしょう。それと同じで、CTやMR、病理などの検査結果も必ず受け取るようにするのです。私は、次の診察まで間隔があくと、電話で検査結果を聞いてもらうように患者さんに伝えています。
昨年、乳がんで亡くなった小林麻央さんは、医師の指示通りに受診するのを忘れたため、確定診断まで8カ月かかったことが報じられました。仕事などの都合で、受診を忘れることはありうるでしょう。ですから、電話確認という基本的なことが大切なのです。
診断に疑問点があったら、患者さんが積極的に質問してください。3年前に大腸がんで亡くなった俳優の今井雅之さんは当初、近くの医院で「腸の風邪」と誤診されたことで、がんの発見が遅れました。診断結果に違和感があればセカンドオピニオンを求めること。もしがんのことなら、同じ診療科の別の病院ではなく、放射線科医に尋ねるのがセオリーです。放射線科医は全てのがん治療に精通していますから。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁