Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

千葉大病院で発覚 がん情報引き継ぎミスはこうして起きる

小林麻央さん(C)日刊ゲンダイ

■小林麻央さんも診療忘れ

 では、患者として診断結果の伝達ミスを防ぎ、適切な治療を受けるにはどうするか。検査の結果はどんなことでも、リポートを受け取ることが大切です。血糖値や脂質など血液検査の結果は、受け取ることがほとんどでしょう。それと同じで、CTやMR、病理などの検査結果も必ず受け取るようにするのです。私は、次の診察まで間隔があくと、電話で検査結果を聞いてもらうように患者さんに伝えています。

 昨年、乳がんで亡くなった小林麻央さんは、医師の指示通りに受診するのを忘れたため、確定診断まで8カ月かかったことが報じられました。仕事などの都合で、受診を忘れることはありうるでしょう。ですから、電話確認という基本的なことが大切なのです。

 診断に疑問点があったら、患者さんが積極的に質問してください。3年前に大腸がんで亡くなった俳優の今井雅之さんは当初、近くの医院で「腸の風邪」と誤診されたことで、がんの発見が遅れました。診断結果に違和感があればセカンドオピニオンを求めること。もしがんのことなら、同じ診療科の別の病院ではなく、放射線科医に尋ねるのがセオリーです。放射線科医は全てのがん治療に精通していますから。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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