気鋭の医師 注目の医療

ノーベル賞学者の愛弟子はオートファジー論文引用世界1位

水島昇教授(提供写真)

「オートファジーを活性化することで、病気改善につながる使い道を探すことです。この分野の研究者の誰もが思っていることは、脳の神経細胞内に異常タンパク質が蓄積するパーキンソン病などの神経変性疾患の治療に使えないかということです。それが医療への応用のひとつのゴールであることは間違いありません」

 神経細胞は他の細胞と違って分裂(入れ替わり)せず、ほぼ一生のつきあいとなる。そのため、ゴミ(異常タンパク質)がたまりやすい。脳の神経細胞のオートファジーを活性化して、ゴミ処理能力を高めようという考えだ。

 しかし、現時点では生体内でオートファジーの活性を測定する良い方法がないことや、オートファジーを活性化させる特異的な薬剤や方法が見つかっていないなどの課題がある。それらの基礎となる分子レベルでのオートファジーの理解も、まだ道半ばだ。水島教授らは、培養細胞や実験動物を使って基礎研究に集中している。 

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