コントロール不良の喘息にしびれが…疑べき重大病とは?

治療が遅れれば、心障害などの後遺症(C)日刊ゲンダイ

■治療が遅いと心障害などの後遺症

 石井医師によれば、喘息で医療機関を定期的に受診していても、しびれを喘息と関係があると考えない。だから、医師に相談しない。医師も喘息患者に、しびれの有無を積極的には聞かない。

「EGPAが見逃される可能性はかなり高い。診断・治療が遅れれば、末梢神経障害や、心障害・腎障害などの後遺症を残します。麻痺なども問題ですが、手足のしびれは夜も眠れないほどひどい人もいます。30~50代で発症し、社会的な影響を受けやすい」

 EGPAは、血管炎のひとつだ。血管炎は、血管に原因不明の炎症が起こる疾患の総称。EGPAの場合、白血球の一種で、喘息にも関連している好酸球が血管や気道に集まり、組織を破壊して炎症を起こす。

 EGPAは、①血液検査で、好酸球が増加していないか、ANCA(抗好中球細胞質抗体)が陽性でないか②各種障害の検査で、神経障害、皮膚病変(皮疹が出る)、心病変、腎病変、肺病変、消化器病変などはないか③病理所見で、壊死性血管炎、好酸球性肉芽腫などがないか――で調べる。

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