医者も知らない医学の新常識

権威ある英医学誌で発表 ビタミンDで長生きは本当か?

キノコはビタミンDを多く含む(C)日刊ゲンダイ

 ビタミンDはステロイドホルモンの一種で、カルシウムの吸収を高めるなどの働きを持ち、骨の健康のために必要なビタミンです。それ以外に免疫を調節する作用があり、このため肺炎などの炎症やがんの時には、ビタミンDが低下することが知られています。

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という権威のある医学誌に発表された、日本の疫学データの解析では、血液中のビタミンD濃度が高いと、低い人よりがんになるリスクが2割低下したと報告されています。ビタミンDが高いとがんになりにくい、という結果です。それでは、ビタミンDをサプリメントなどでたくさん取ると、病気の予防になるのでしょうか? その点についてはまだはっきりしたことが分かっていません。

 今年アメリカの循環器の専門誌に掲載された論文によると、ビタミンDのサプリメントを使用しても、それで心臓病や脳卒中が予防されたり、寿命が延びるようなことはない、という結果が得られています。がんについても、サプリメントを取ることでがんが予防された、というような結果は出ていません。

 従って、今のところサプリメントでビタミンDを補充することはお勧め出来ませんがビタミンDが不足すると病気の増えることは事実で、魚やキノコなど、ビタミンDを多く含む食品を毎日食事として取ることは、下手な薬よりも病気の予防になりそうです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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