大阪で震度6弱の地震 被災地で気をつけたい健康のこと3つ

“帰宅難民”もあふれた(C)共同通信社

 被災者が受けるストレスは心臓そのものにも悪影響を与え、「たこつぼ心筋症」を引き起こす危険もある。

「強い精神的ストレスによって心臓の筋肉が収縮しにくくなり、左心室がたこつぼのような形で膨らんだまま動かなくなる病態です。すると、心臓から血液をスムーズに送り出せなくなり、胸痛、息切れ、圧迫感、全身の倦怠感といった症状が表れるのです。急性期には、危険な不整脈や心破裂といった命に関わる合併症を招くケースもあります」

 たこつぼ心筋症は、2004年に発生した新潟県中越地震で数多く確認され、2016年の熊本地震でも報告されている。「何かおかしい」と感じたら、早めに医療機関で診てもらったほうがいい。

「脱水」も、脳・心血管疾患を引き起こしやすくする。

 体内や血管内の水分が不足すると血液の中の塩分が増え、血圧が上がり血管抵抗が上昇する。脱水では心臓が送り出す血液量も減少して血液がドロドロになり流れにくくなる。すると、ポンプである心臓はそれだけ大きな力が必要になり、負担が増大してしまうのだ。また、ドロドロの血液は固まりやすく、血栓によって血管が詰まる危険性が高くなる。そのため、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクがアップする。

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