独白 愉快な“病人”たち

3歳で脳性麻痺 ヴァイオリニスト式町水晶さん明かす“心の闇”

式町水晶さん(C)日刊ゲンダイ

 特別支援学級のある小学校に通っていた頃は、通常学級の子にからかわれても、クラスメートと助け合って比較的平和でした。

 でも、5年生から通常学級に編入すると、授業や生活スピードの速さからコンプレックスが芽生え、6年生は一番つらい時期でした。いじめの集中攻撃を受けたのです。

 男子からは暴力、女子からはネットでの集団陰口……。心が深く傷つきました。さらに追い打ちをかけるように、医師から「失明の可能性がある」と宣告され、もう人生最悪です。初めて世の中から逃げ出したいと思いました。

 そんな時、祖母の提案で刑務所へ慰問演奏に行くことになりました。「なんでこんな時に……」と思っていましたが、行ってみて気づいたことがありました。自らの罪と向き合ってジッと耐えている受刑者の姿と、いじめに耐えている自分の姿がリンクしたのです。

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