患者の遺伝子変異に応じた薬を選んで投与するため、より的確にがんを攻撃でき、肺がんの治療成績を大きく向上させた。
「放射線と併用すればもっと効果が高いのでは? そう考え研究が始まりましたが、ゲフィチニブをはじめ多くの分子標的薬は、薬剤性の肺障害を起こし肺にダメージを与える。危険すぎて使えないとなった」
■免疫チェックポイント阻害剤も注目
そこで今、期待が高まっているのが免疫チェックポイント阻害剤だ。免疫細胞の攻撃を阻止するPD―L1、PD―L2という“免疫チェックポイント”を阻害する薬で、前述の通り、Ⅳ期では適用。がん増悪を抑制し、生存期間も延びた。
研究の結果、Ⅲ期でも免疫チェックポイント阻害剤を投与した群は、従来の抗がん剤治療群に比べて死亡リスクを有意に低下させた。