震災時におびえ症状も 発達障害の子供をどうケアするべき

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 被災地の子供たちには夜尿症やまとわりつき、甘え、反抗のような退行現象や悪夢や夜驚やおびえの症状が見られるが、発達障害がある場合は、いったん消失していた発達障害による症状が再出現したり、より強くなることが報告されている。

「発達障害の子供たちに接する人にお願いしたいのは“そっちに行ってはダメ”“ここに(あなたが望む品物)はない”と言うのではなく、“この場所に座って下さい”“ここにあります”と肯定的な言葉で声掛けすることです。また塾や習い事、あるいはお気に入りのグッズやテレビ番組など、震災以前の習慣や活動を続けられるようにすることは安心につながります。“非常時だからやめろ”と言うのではなく、できるだけ続けさせましょう」(宮尾院長)

■急増する大人の発達障害にも当てはまる

 発達障害とは生まれつきの脳の特性により、社会生活に困難が発生する障害のこと。コミュニケーションが苦手でこだわりが強い「自閉症スペクトラム障害」(ASD)、不注意で落ち着きがない「注意欠陥多動性障害」(ADHD)などが主な障害だ。

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