震災時におびえ症状も 発達障害の子供をどうケアするべき

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「震災後、大人たちは、夜中までテレビやラジオで情報を得ようとしますが、子供は付き合わせない方がいい。子供は感受性も強く、記憶力もよすぎる。衝撃的な映像も音声も、脳裏に刻み込まれてしまいます。睡眠不足が加わると、こだわりやパニックなどの発達障害の症状が強く出ます。だから、生活リズムを変えずに震災前と同じ時刻に寝起きさせましょう」

 睡眠は生活リズムの基本。それが乱れると自閉症スペクトラム障害の人は他人の思惑を察することが下手になり、想定外の出来事にうろたえる傾向もいっそう強くなる。多動障害の子供はますます多動になり、不注意な子供はますます不注意が目立つという。

「逆に睡眠時間を増やしただけで多動が1週間で軽減することもあります。親が子供の睡眠の状態をよく見ることです」(井原教授)

 災害はいつ誰に降りかかるかわからない。不幸にして被災したときは住民同士が互いの状況を理解し、協力し合わなければかえって強いストレスを生む。

 ならば、より多くの人が発達障害の子供たちの震災時での心と行動の特徴を理解しておいた方がいい。それは急増する大人の発達障害の人にも当てはまる。

4 / 4 ページ

関連記事