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0期でも正解率98% 血液1滴でがん13種類が早期発見できる

加藤健医長(提供写真)

 マイクロRNAは体中の細胞が分泌している微小な核酸の一種で、細胞間の情報伝達を担っている。

 人体内には約2600種類のマイクロRNAがあるが、がん細胞が発生すると、がん種によって異なるマイクロRNAの放出量が増加する。その量を調べることでがん種が分かるのだ。

「がん細胞が壊れたり、転移したりするときに血中に放出される物質もありますが、それらはがんがある程度大きくならないと出ないといわれています。マイクロRNAは、がん細胞が生きていく上で能動的に放出されるので、微少ながんでも検出できる。ステージ0期の超早期でも98%の確率で判別できます」

 大腸がんでいえば、最も精度が高いとされる便潜血検査の感度は70%程度。腸は長いので出血が奥の方(右側)の場合、精度が落ちるからだ。

 それがマイクロRNAの検査では、盲腸から横行結腸までの感度が99・0%、下行結腸から直腸までの感度は99・6%という。部位に関係なく高い精度で判定できるのだ。

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