O型はマラリアに感染しても悪化しにくいことから、赤道直下のマラリア汚染地帯ほど、その比率が高くなっています。
たとえばヨーロッパからアフリカにかけて見ていくと、北欧諸国はA型が5割近くを占めています。それに対してアフリカのキクユ族では、O型が6割に達しています。また中間のイタリアでは、血液型の分布も中間的です(O型46%、A型40%)。
熱帯地域ほどO型が多いのは、アフリカに限ったことではありません。中南米を見ても、同様の傾向が見られます。とくにブラジル先住民族のボロロ族などは、全員がO型です。
一方、北米先住民族のブラックフット族は、82%がA型です。A型はケガや出産時に、O型よりも出血が少なく、体温を失いにくいため、寒い地域での生存に有利だったと考えられています。ただし同じ北米でも、マラリアが多かった南部に住むナバホ族などは、O型が7割前後を占めています。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。