この分析では、痩せている人がすでに病気を持っているために死亡率が高いという因果の逆転の可能性が排除できていません。
しかし、因果関係は別にして、虚弱老人では痩せているほど死亡のリスクが高く、肥満の人は逆にリスクが低いという現実がこの結果によって示されています。
虚弱老人で肥満はむしろ健康のサインで、痩せのほうが死亡のリスクであることが明確なのです。
生活と健康 数字は語る
「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。