膵がん5年生存率80%以上を可能にする「4つのポイント」

新たに膵がんと診断される男性は年間10万人当たり29.1人(C)日刊ゲンダイ

(3)膵管内乳頭粘液性腫瘍 膵臓には嚢胞性腫瘍という病気があり、その代表がこれ。自覚症状はほぼないが、膵炎を発症し腹痛や背部痛などで発見されることも。超音波検査やCTで偶然発見されるケースも増えている。これがあると、年間に1・1~2・5%の発生率で膵がんを発症することが分かっている。

(4)急性膵炎

 長期予後を実現させるには、転移を来す前に膵がんを発見するしかない。膵がんは増殖し、転移能を獲得するまでに約7年かかる。

「転移前に診断できる時期が少なくとも2~3年はあります」

 尾道総合病院(広島)の花田敬士医師が、膵がんの早期診断を目指す診断の流れとして考案した「尾道プロジェクト」で明らかになったのは、早期発見につながる病歴や画像所見だ。

「上皮内がん(長期予後が望める膵がん)が発見された患者には、『急性膵炎などの病歴』『画像所見として、分枝拡張、あるいは5ミリ以上の嚢胞、あるいは3ミリ以上の膵管拡張』という特徴が見られました」

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