アメリカ人の食生活といえば、ステーキやハンバーガーなど「肉」を真っ先に連想するかもしれません。しかし、今年の食トレンドは「プラント・ベースト・フード」に決まりでしょう。
これは、肉や魚などのタンパク源の代わりになる植物性食品のこと。肉や魚を食べないベジタリアン、卵、乳製品、蜂蜜も食べないビーガンがタンパク源として取っている豆腐、玄米、グラノーラはもちろんのこと、プラント・ベースト・フードには、新たな需要とテクノロジーの進歩によって生まれた植物性食品も含まれます。
これまでもベジタリアンやビーガンのライフスタイルはありましたが、非常に少数派でした。ところがここ数年、人気が急上昇していて、ビーガン人口は全体の6%にまで増加しました。現在ではビーガンでない一般のアメリカ人の約4割が、食べ物を積極的にプラント・ベースト・フードに切り替えていることを示す数字が発表されています。
その最大の理由は、健康です。7割が太り過ぎ、さらに4割が肥満症とされるアメリカ人のほとんどが、国が推奨する野菜の摂取量を満たしていません。体重を落として健康になるためには、食生活を植物性に変えるしかないとの考え方が広まっているのです。
ほかに環境や倫理感も理由になっています。畜産がもたらす環境汚染や非倫理的な育て方などの情報がネットを中心に広がり、特に若者たちの間で肉や乳製品離れが進んでいるのです。将来の世界的な食糧不足をにらんだ、新たな食アイテムの開発にも注目が集まっています。
プラント・ベースト・フードのうち、“新植物性食品”の一例を挙げると、乳製品を含まないミルクや疑似肉など。
具体的にどのような食品や食べ方がヒットしているのか、次回で紹介しましょう。
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