「細胞内でAMPが増えると、それに応じてAMPキナーゼのスイッチが入り、血液中の糖の筋肉細胞への取り込みが始まります。細胞内ではそれを原料としてミトコンドリアで新たなATPが作られ低下したエネルギーを補充するのです」
つまり、運動すると血糖値が下がるのは細胞の外からはインスリンが、細胞の内側からはAMPキナーゼが、血液から糖分を細胞内に取り込ませる働きをして血糖値を下げているのだ。
「最近はAMPキナーゼの他にもSNARK(スナーク)と呼ばれる酵素がAMPキナーゼ関連酵素ファミリーのひとつで、AMPキナーゼの補助的役割を果たしていることがわかっています」
AMPキナーゼの糖尿病治療薬の研究は続けられているが、効き目が強すぎて難航している。
■血糖を下げるのはインスリンだけじゃなかった