常識一変! 糖尿病の人と予備群に運動が必要な本当の理由

スプリント走よりジョギングや散歩を長く(C)日刊ゲンダイ

 では、どのくらい運動すればいいのか? 激しい運動をすればエネルギーが消費されるため、AMPキナーゼとその仲間たちは活性化され、糖の細胞への取り込み量は増える。しかし、そうした運動は長くは続かない。

「重要なのは血糖値を下げるこの新たな回路は、筋肉収縮の間だけしか細胞への糖の取り込みを行わない、という点です。激しい運動をする必要はなく、長く筋肉の収縮を行う運動が良いのです。短時間しか続けられないスプリント走よりは、運動量を確保しやすいジョギングや散歩を長くやる方がいいのです」

 インスリンを使わずに血糖を下げる、新しい回路で注目すべき点は他に2つある。ひとつはインスリンの回路に支障が出ても、新しい回路は“無傷”である可能性が高いこと。そのため、糖尿病と診断された人でもこの新しい回路を鍛えれば、血糖値を改善でき、使用している薬の量を減らせる可能性がある。

4 / 5 ページ

関連記事