正社員で働く発達障害の人々

「雑談には無理に加わらなくてもいいと、言われラクに」

篠聡志さん(提供写真)

 Kaienの訓練は週5日、朝9時から16時まで行われた。通所開始から3カ月ほど過ぎると、就職活動を開始。Kaienに寄せられている求人に応募したり、合同面接会に参加した。現在、障害者雇用促進法という法律で一定の規模以上の会社は、従業員数のうち2.2%の障害者を雇用しなければならないことになっており、どの会社も積極的に障害者雇用に取り組んでいる。この時点で障害者手帳を取得していた篠さんが選んだのも、障害者枠での就労だった。

「大学を卒業するときも就職活動をしなかったので、すべて初めての経験。特に困ったのは、履歴書の作成でした。自分の長所は何か分からず、スタッフさんに『私の長所って何でしょう』と聞いたんです」

 スタッフが教えてくれた長所は「ちゃんと毎日来れて、勤怠が安定しているところ。そして、たくさんのことを一気にやるのは難しくても、ひとつひとつならしっかり業務をこなせることですね」だった。うれしかった。

(つづく)

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