正社員で働く発達障害の人々

「やってきたことは必要な流れ。今後は長く勤めたい」

篠聡志さん(提供写真)

「会社に届くメール便の仕分けの作業が初めての仕事でした。社員の座席表を見ながら、分からないことはその都度、課長に聞いて、宛先の机に届けました。最初に指導にあたってくれた課長は、その後、定年退職してしまったのですが、『篠さんなら大丈夫。やっていけるよ』と言ってくれて。うれしかったですね」

■後輩も指導するベテラン社員に

 2016年には合併に伴い、篠さんも大東コーポレートサービスの所属に。その際に、アルバイトから正社員へと昇格した。大東コーポレートサービスは、障害者の雇用を推進することで、親会社の法定雇用率に算定できる、いわゆる「特例子会社」だ。

 いまや、篠さんはベテラン社員として、後輩も指導する立場に。

 特に顧客との契約書などをスキャニングする業務では、会社で一番の正確さと速さを誇る。篠さんの直属の上司である、中山広太郎課長も「篠さんはとても真面目な性格で、吸収力も高い」と、太鼓判を押す。

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