もう真夏…熱中症で死なないために知っておくべき病気と薬

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「βブロッカーという薬を飲んでいる人も気をつけた方がいいでしょう。脈拍が速いタイプの高血圧や心不全、脈拍が急上昇する不整脈の人が対象の薬で、脈拍を遅くします。ところが体は体内に熱がこもると、熱を下げるために脈拍を速めて汗をかこうとします。この薬を飲んでいる人はうまく汗をかけないのです」(石原院長)

 同じ降圧剤の「ARB」「ACE阻害薬」も「利尿剤」「βブロッカー」同様の注意が必要だ。

 糖尿病の人も、そのリスクを忘れてはいけない。合併症の神経障害で暑さを感じにくくなっているうえ、自律神経が障害されて発汗機能が損なわれやすい。しかも多飲多尿で脱水症状が起きやすく、糖尿病の4割は高血圧でもある。

「糖尿病で気をつけたいのがSGLT2阻害薬です。この薬は血液中の余分な糖分を尿と一緒に放出するため、尿量が多くなり、脱水症状を起こしやすく、汗をかきにくくなるといわれています」(石原院長)

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