■下痢止めや頭痛薬も気をつけたい
他にも注意すべき病気や薬はある。薬剤師の青島周一氏が言う。
「風邪やお腹の調子が悪い人も熱中症には警戒が必要です。発熱や下痢で水分が失われやすいからです。このとき気をつけなければならないのは、『抗コリン作用』『抗ヒスタミン作用』の成分が入った総合感冒薬や下痢止め、鎮痛剤などの薬です。飲むと発汗作用が抑えられ、結果的に放熱作用が十分機能しなくなると考えられます」
実はこの「抗コリン作用」「抗ヒスタミン作用」の成分が入った薬は意外に多い。
乗り物の酔い止めの薬、鼻炎薬、胃腸薬、睡眠補助薬、花粉症の薬など、市販薬としても広く使われている。
「パーキンソン病、てんかん、認知症、うつ病なども熱中症リスクは高くなります。暑さが感じにくく対応が遅くなるうえ、体温調節機能をつかさどる自律神経に影響する薬を使うからです」(青島氏)