正社員で働く発達障害の人々

29歳で発達障害と知り…生活の対処法が見つかると前向きに

福田晃平さん(提供写真)

「命じられた指示がよく分からず、細かい内容を忘れてしまうことが多かった。『こんなこと普通は分かるよね』『また間違ってるの』と高圧的に言われると、頭がパニックになり、ますます間違えてしまいました」

 ひとくちに発達障害といっても、人によりさまざまな特性がある。複数の仕事を並行して行うマルチタスクを苦手とする人は多いが、福田さんは、言葉で指示を受けるのが苦手だった。

 遠回しに言われた内容をくみ取れず、相手の意図とはまったく違ったことをしてしまったこともあったという。留学のプランを提供するという仕事内容も、さまざまな留学の価値観があるなかで共感できないこともあり、ただ留学を売り込むという作業になっていた。結局、以前の仕事で発症したうつ病が再発し、仕事を辞めることになった。なぜ自分は仕事がうまくいかないのか? その原因を求めて、クリニックで成人知能検査であるWAIS―Ⅲなどの検査や問診を受け、初めて自分が発達障害だと知った。

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