正社員で働く発達障害の人々

優先順位をつけるのが苦手 仕事が並行すると処理が困難に

福田晃平さん(提供写真)

 英語も話せるようになりたいし、自分の選択肢も広げたい。福田さんはオーストラリアでのワーキングホリデーにチャレンジ。現地では日本料理店の電話の受け付けや大工仕事などをしながら、休日にはサーフィンも楽しんだ。英語も上達し、生き生きと毎日を過ごしたという。

「帰国してから、よく『英語もできる優秀な人が、なんで仕事ができないの』と言われました。でも、外国では、こちらがあまり言葉ができないこと、理解に時間がかかることを前提に話してくれる。ところが日本では、一度言ったらすべて分かっていることが前提で、話が進んでしまう。私にとっては、日本より外国の方が暮らしやすい面も多かったんです」

 実際、福田さんはワーキングホリデーから帰国して再就職すると、再び仕事上の困難にぶつかってしまう。営業の仕事をするも退職することになった福田さんは、クリニックで発達障害という診断を受けることになった。

(つづく)

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