口コミで1万人超が VRで認知症を疑似体験してわかったこと

VR認知症体験会は30人から(C)日刊ゲンダイ

 ①は認知症の中核症状「視空間失認(空間における物の位置や、物と物との位置関係が分からない)」の体験だ。②は若年性認知症の男性の実話から、③はレビー小体病(認知症の一種)の女性の原作・監修で、レビー小体病の症状である「幻視」の世界を伝えている。

 ①は、あるおばあちゃんがデイサービスの車から降りる時に悲鳴を上げ、その後怒り出したエピソードがもとだ。

「中核症状で距離感がつかめなくなっているのを、私たちは“なぜ降りられないの”となる。ビルの上から笑顔で降りろと言われても、本人にとってはとうていできない。これがもし、『大丈夫ですか?』と聞いていたら、認知症の方もなぜ降りられないかを話せ、安心につながるかもしれない」(VR事業部・黒田麻衣子氏)

「私たちが見えているものが正しい」を大前提にするのではなく、認知症の方はどうなのかを考える。

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