科学的根拠もあった O型が他より圧倒的に病気に強い理由

ブラジルの先住民族ボロロ族は全員がO型(C)ロイター

 もっとも梅毒に限らず、「O型」は圧倒的に病気に強い。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、コレラといった“胃腸関係”の罹患リスクは高いものの、がんや心臓病、糖尿病などは他の血液型に比べてもかかりにくいことが分かっている。

「ヒトの血液型とは免疫の型のことです。赤血球などの細胞の表面には“糖鎖”という毛のようなものがびっしりと生えていて、その最末端の違いが血液型の違いになります。たとえば糖鎖の違いによって体内への通過を許す病原体が異なるといった考え方もあります。そういう意味で、なりやすい病気、なりにくい病気があるのでしょう。O型の糖鎖は、A型の糖鎖をつくるための酵素の遺伝子に変異が起きたもので、A型の最末端についている糖鎖がありません。これが、がんなどの病気リスクの高いA型との違いで、有利に働いていると考えられます」(竹内久美子氏)

 O型はおおらかで大ざっぱな性格といわれストレスがなさそうだが、そんな非科学的な性格分析とは別に、科学的にも病気に強いことが証明されているのだ。

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