独白 愉快な“病人”たち

ダ・カーポ榊原政敏さん ギター姿勢が招いた“職業病”体験

ダ・カーポの榊原政敏さん(後ろは妻・広子さん)(C)日刊ゲンダイ

 医師から「どこかにぶつけたとか、転んだんですか?」と聞かれましたが、まったく覚えがありません。いろいろ問診されて職業を話すと「ギターを持って立って歌う姿勢」を指摘されました。

 前かがみになって左手のネックの方を向くと体がよじれ、さらに歌う時には顔を上げる。そんな体勢を40年以上続けていたことが、脊椎の骨折を引き起こしたらしいのです。「疲労骨折みたいなものです」と言われました。

 その頃には、あまりに痛くて寝室からトイレに行くのにも壁を伝って15分もかかっていました。その痛みが心臓に負担をかけて肥大化を招き、不整脈を引き起こし、肺に水がたまったというわけです。

 即入院となって、心電図つけっぱなしの入院生活を送りました。血圧も下がっていて、医師は「まずいな」なんて言うし、心房細動が起こって心臓がブルブルしてとにかく息が苦しいんです。主な治療は、その不整脈を治して肺の水をなくすこと。骨折の治療はカルシウムの薬を飲むくらいでした(笑い)。

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