子作り治療 最前線

精子の「質」を落とす犯人は活性酸素 検査法と不妊治療法

アーモンドには抗酸化物質であるビタミンEが多く含まれる(C)日刊ゲンダイ

 SCSAは、精液を特殊な蛍光色素で処理して専用の機器にかけると、どの程度の割合で精子のDNAが損傷(DNA断片化率)しているかが分かる検査。結果は、グラフに「赤(DNA損傷の精子)」「青(正常な精子)」「緑(未熟な精子)」の3色で表示される。一度に2万個の精子を調べられ、誤差は1%未満だ。

 では、何が精子のDNAを損傷させているのか。男性不妊には酸化ストレスが関与しているという数多くの研究報告があり、DNA断片化の犯人は体内で発生する「活性酸素」だという。

「活性酸素はさまざまな病気の原因になることが知られていますが、実は細胞へのダメージについて最初に報告されたのが精子細胞なのです。酸素濃度の高い環境では精子の運動率が低下することや、抗酸化剤を投与すると運動率が回復することも確認しています」

 そして、SCSAの結果を得て同院が積極的に行っている治療法が「抗酸化療法」。コエンザイムQ10やビタミンC・Eなどの抗酸化物質配合のサプリ(SOサポート:株式会社パートナーズ製)を男性不妊の患者に飲んでもらっている。

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