裸眼1.0未満が過去最高に 近視になる本当の理由と対処法

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ドイツのチュービンゲン工科大学が、明るさのみが異なる2つのひよこのグループを調べたところ、明かりの強いグループで近視の発生が有意に減少した。ほかの動物を使った実験でも、同様の効果が観測されている。

 なぜ光が近視を抑えるか。有力な仮説は、波長の短い紫の光によって網膜から神経伝達物質のドーパミンが分泌され瞳孔が収縮する。このドーパミンが眼軸の伸びを防ぐという説だ。ひよこの目にドーパミン抑制剤を投入すると、光による近視発生の減少が見られない、との実験結果もある。ちなみに、台湾の小学校では毎日2時間、屋外活動をすることで、2010年以降小学生の近視率が10%以上、下がったと報告されている。

 現在、近視予防にはどんな手段があるのか?

「至近距離を見るときに目の調節を手助けしてくれるMCレンズメガネがあります。岡山大学の実証研究では通常のメガネと比べて15%程度近視抑制効果があったとされています。特殊なコンタクトレンズを就寝前につけることで角膜のカーブを変えて視力を矯正するオルソケラトロジーは子供に高い効果があります」

4 / 5 ページ

関連記事