正社員で働く発達障害の人々

「私は発達障害でも働けるロールモデルになりたい」

福田晃平さん(提供写真)

■苦手なことは人に協力してもらう

 そのほか、ワーキングメモリーが浅く、自分がいま何をやるべきかという優先順位がよく分からなくなると話す福田さん。ワーキングメモリーとは、複数の情報を同時に頭の中で所持し、並行して処理する能力のこと。例えるならば、机の上に3種類の書類があっても処理していけるのが定型発達者(発達障害のない人)だとすれば、発達障害者には、書類が2種類以上あると混乱してしまう傾向がある人もいるという。その対策として、福田さんはウィンドウズに搭載されている「付箋」という機能を使い、いまやるべきことをパソコンのデスクトップに表示させておき、終わったものから消すようにして、やるべきことを忘れないようにしている。

「ほかにも書類のチェックが苦手で、ほかの人なら10分で済むところを30分かかってしまったりします。そういうときは、無理に自分で抱えないで、同僚の人に『半分やってもらってもいいですか』とお願いします。苦手なことはうまく人に頼むのも、仕事を続ける秘訣のひとつですね」

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