不安を募らせる症状ばかりですが、この病気が治りやすいポイントは脳の外側にできること。脳の内側にできる腫瘍とは決定的に違うのです。
脳の内側にできる腫瘍に神経膠腫(グリオーマ)があります。悪性脳腫瘍のうち3分の1くらいを占めるタイプで、悪性たるゆえんはその広がり方にあるのです。乾いた布に水が染み込むように正常組織に浸潤します。腫瘍と正常組織の境界が分かりにくい上、近くに重要な神経や血管があることもあり、そもそも手術ができなかったり、十分取り切れないことが多いのです。
ところが、髄膜腫は、境界がハッキリしていて手術で切除しやすい。治りやすいのは、そのためです。脳の外側にできるタイプには、ほかに下垂体腺腫や神経鞘腫などがありますが、いずれも同じように悪性度が低く、手術で切除しやすく、治りやすい。脳腫瘍は、脳の内側か外側かが大きなポイントです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁