Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

関ジャニ安田も克服 髄膜腫はガンマナイフで開頭せず治る

道上洋三アナは9月に復帰予定(C)日刊ゲンダイ

 安田さんの一件が発表される前、ABCラジオの道上洋三アナウンサーが、髄膜腫の治療で早めの夏休みを取ることを発表しています。道上アナは12年前にも同じ髄膜腫の治療で約3カ月休養していて、今回は再発した格好です。

「手術をして(髄膜腫を)取り除いたんですけど、あの時、わずかに残った4~5%の部分があった」

 自らの番組でそう説明されていますが、良性腫瘍でも再発する可能性はあります。たとえ再発しても、もう一度治療すれば大丈夫でしょう。

 道上さんは今回、放射線治療を受けるといいますから、恐らくガンマナイフと呼ばれる特殊な放射線と思われます。ガンマナイフは、約200本のガンマ線のビームを腫瘍に集中的に照射できるのが特徴。開頭することなく、高い治療効果が得られるのです。放射線治療が効果的なのも、腫瘍と正常組織の境界がハッキリしているため。頭蓋底など手術が難しい場所でも、ガンマナイフは有効です。10%は悪性の可能性がありますが、あきらめずに治療を受けることが大切でしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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