医者も知らない医学の新常識

健康に悪いと分かっているのになぜお菓子を食べ過ぎるの?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ついつい食べ過ぎてしまうスナック菓子。ケーキや菓子パンは別腹という人も多いでしょう。こうした食品は糖質と脂質をどちらも多く含んでいて、カロリーも多い。食べ過ぎれば当然、肥満の原因となります。健康には悪いと分かっているのに、ヒトはなぜ食べ過ぎてしまうのでしょうか?

 実は脳にその原因があるのではないか、という研究結果が、「セル」という権威のある科学誌の姉妹誌に最近発表され話題になっています。人間を含む哺乳動物は、食べ物のカロリーを常に計算していて、必要なカロリーだけを取るように、食事量を調節する本能を持っています。この時に働いているのが、脳の「中脳辺縁系」という部分なのですが、ここは脳内報酬系といって、薬物やたばこなどの依存症にも関わっている場所なのです。

 ケーキなどの脂質と糖質を両方多く含む食品を見た時と、普通のパンなどの糖質が主体の食品を見た時とでは、ケーキなどを見た時の方が脳内報酬系が活発に働き、脳の中では同じカロリーの他の食品より、高く評価していることが分かりました。脳はこうした食品を魅力的に感じているのです。そのために、繰り返し食べることにより、脳は惑わされて、必要以上に食べ過ぎて肥満やそれに伴う病気の原因となるのです。

 お菓子やケーキは人間の脳にとって、離れられない恋人のような存在であるようです。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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