がんとは何か

<9>がんになる細胞とならない細胞の違いはどこにあるのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「“テロメラーゼ活性があるか、ないか”の違いと考えられています。細胞は分裂を繰り返すたびに、まるで回数券のように切り取られる染色体の一部があります。それがテロメアです。別名“命の回数券”と呼ばれ、一定の長さになると、遺伝子の異常と認識され、細胞分裂をしなくなり、寿命が終わります」

 普通の細胞にはテロメアを元気づける(活性化する)酵素であるテロメラーゼ活性がないが、幹細胞にはある。つまり、がんは幹細胞か、普通の細胞ながら自己複製という幹細胞の特徴を獲得したものから発症すると考えられるのだ。

 ちなみにがんの85%以上は上皮細胞から生まれることがわかっている。これは、上皮の中にはその性質上、幹細胞が多く含まれているからだとも考えられる。

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