アメリカ人の4割が切り替えている「プラント・ベースト・フード(植物性食品)」。デーリーフリー・ミルク(乳製品を含まないミルク)と並ぶもうひとつのトレンドは「肉」です。そしてその発信源は食品業界ではなく、シリコンバレーです。
オーガニック・スーパーの最大手、ホールフーズ・ブルックリン店にあるハンバーガースタンド「スペリオリティー・バーガー」のバーガーミートは、すべて肉を使っていません。
そのひとつ「ビヨンド・ミート(肉を超える肉)」は、豆をベースに作られた疑似肉。焼くとビーツを使った赤い肉汁が出てくるという念の入れようで、人気を博しています。開発したシリコンバレーのベンチャー企業は、ハイテク技術を使ってビーフの味や食感を分析し、それをすべて植物性の原料で再現したとのこと。
ライバル「インポッシブル・バーガー」も負けていません。同じく植物が原料ですが、肉独特の風味がある物質「ヘム」を混ぜ込んでおり、肉そのものの味や食感です。
「ビヨンド・ミート」や「インポッシブル・バーガー」はともに、一般のスーパーやカジュアルレストランへと急ピッチで普及しています。
さらに注目されるのはこうしたベンチャー企業の投資家の顔ぶれ。大手のベンチャーキャピタルに加え、食肉大手のタイソン・フーズや、ツイッター創始者、さらにレオナルド・ディカプリオ、ビル・ゲイツなどが名を連ねています。
しかし、アメリカ人が 肉を嫌いになったわけでは決してありません。年間消費量1人当たり推定100キロという肉大好きな国民性だからこそ、せめて一部でも植物性に切り替えてもらいたい。それによって、悪玉コレステロール値を上昇させる肉の摂取量を減らし、畜産による大量の二酸化炭素ガスの排出を少しでも減少させようという試みなのです。
ますます熱い視線が集まっています。
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