独白 愉快な“病人”たち

ラーメン完食は手術5カ月後 藤原組長が胃がんとの闘い語る

藤原喜明さん(C)日刊ゲンダイ

■ラーメン一杯を完食して涙が出た

 ただ、食事は薄味で物足りなかった。だから本当はダメなんだけど、コンビニで梅干しやおでんやプリンを買い食いしてた。1週間もすると脂っこいものがどうしても食べたくなり、病院を抜け出して豚骨ラーメンを食べに行ったんだ。だけど、半分ぐらいで気持ち悪くなってトイレで吐いた。ショックだったよ。

 その4日後ぐらいにギョーザを食べにいったら、ギョーザは1皿半食えた。まさか食えると思わなかったからうれしかったな。でも、ラーメンはなかなか食べられなくて、完食できたのは手術から5カ月後だった。「ラーメン一杯食えた!」ってうれしくて本当に涙が出たよ。

 退院後は抗がん剤治療があった。強烈な薬を8クール。つまり、3週間飲んで1週間休むのを8回だね。その後、軽めの薬を毎日、2年間飲み続けた。それはマジメに実行したよ。でも、筋トレしてもぜんぜん筋肉がつかなかった。抗がん剤は、新しい細胞を作らないようにする薬だから筋肉もつかないんだ。粘膜も弱くなって目はかゆいし、歯茎から血が出るし、大変だったよ。

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