深刻な感染症を媒介 豪雨の後は「蚊」の大量発生に要注意

蚊を侮ってはいけない(C)PIXTA

「日本脳炎ウイルスに感染しても多くの人は症状がありません。しかし、100~1000人に1人程度が脳炎を発症する。うち約20~40%が亡くなり、命を取り留めても神経障害が残ります」

 コガタアカイエカの行動範囲はせいぜい2~3キロ。実際に日本脳炎で亡くなる人も少ないことから“自宅近くに豚や野鳥はいないし、大丈夫”と考える人もいるだろう。

 しかし、甘く考えてはいけない。山口大学の前田健教授が全国のペットの血液を調べたところ、4割が日本脳炎ウイルスに感染していた。日本脳炎リスクは想像以上に身近に迫っているかもしれない。

 不気味なのは2年前に対馬で高齢者4人が同時期に日本脳炎を発症、1人が死亡したが、その感染源がいまだに不明なこと。対馬には豚はおらず、同じ日本脳炎ウイルス増幅動物のイノシシを調べたが特定できなかった。

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