■禁煙効果は女性なら11年
東さんは喫煙者のようですが、肺腺がんは女性ホルモンのひとつ、エストロゲンとの関係が指摘されています。エストロゲンは喫煙との相乗効果で、発がんに関連する遺伝子に作用する可能性があるのです。喫煙習慣のある男性と比べると、喫煙習慣のある女性の方が、より肺腺がんを発症しやすいのはそのため。
初潮が早いほど、閉経が遅いほど高リスクという研究結果も報告されています。エストロゲンの影響がうかがえますが、禁煙の効果が高いのは女性です。男性喫煙者が、たばこを吸わない人並みにリスクが下がるのは禁煙して21年といわれますが、女性は11年で発がんリスクがリセットされます。
女性に多い肺腺がんを防ぐには、なるべく早く禁煙して、毎年検診を受けることが大切。東さんも中村さんも治療は手術ですが、放射線の治療効果は手術と同レベル。1回1分ほどの照射で、4回の通院で完治します。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁