富士山でも続出 高山病になる「4つの共通点」を医師が解説

シルバーウイークには800人もの登山者が槍ケ岳に(齋藤医師提供 左の建物が診療所)

(1)前日に十分に睡眠を取っていない

 40年以上、毎年槍ケ岳へ登っている齋藤医師ですら、一度、高山病にかかったことがある。

「前日に病院を出たのが夜10時。そのまま車で登り口まで行き、数時間の仮眠後一気に登り、昼には診療所に着いていた。夕方くらいから調子が悪く食欲がなくなり、早めに横になったのですが、起きるとひどい頭痛。血液中の酸素濃度を測るとかなり低く、明らかな高山病でした。私は典型的な例で、高山病の症状が出た登山者に聞くと、みなさん、前日の睡眠量が少ない」

 適切な睡眠量は人によって異なる。爽快に目覚められるほどの睡眠量を確保すべきだ。

(2)一気に登る

「私の高山病の2つ目の原因でもあります。一気に登ると、体が低酸素の状態に慣れず、高山病を起こしやすくなる。槍ケ岳を登る人の中にはヒマラヤ経験者もいますが、彼らが“槍ケ岳くらい”と速いスピードで登り、高山病を起こすケースも珍しくありません」

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