ジョギングブームはますます盛り上がりを見せているが、“走った後”に要注意。感染症に弱い状態になっているかもしれない。
「“フルマラソン後は風邪をひきやすくなる”“1週間当たりのランニングの距離が増えるほど風邪をひきやすくなる”。このような報告は以前からありました」
こう言うのは、順天堂大学医学部循環器内科学講座先任准教授の島田和典医師だ。
その理由として、免疫力に関係する細胞の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞の活性が、激しい運動後、一時的に低下することは分かっていた。この現象を「オープンウインドウ」と呼ぶ。
一方で、NK細胞を含むさまざまな免疫細胞を統括し、“免疫の司令塔”的存在の「樹状細胞」が運動とどう関係しているかは不明だった。それを世界で初めて解明したのが、冒頭の島田医師らのグループだ。