フルマラソンで風邪リスク増 運動後の免疫力低下に要注意

(写真はイメージ)(C)日刊ゲンダイ

 まず行ったのは、運動をすると樹状細胞がどうなるかの解明だ。順天堂大学の運動部の被験者22人を対象に①1回2時間の運動をした場合②2週間継続して運動をした場合――の樹状細胞の活性度を調べた。

 樹状細胞は大きく2つに分かれる。ウイルス感染に対して免疫機能を発揮する「pDC」と、細菌感染に対する「mDC」だ。1回の運動後の樹状細胞の活性(①)は、pDC、mDCともに運動直後、2時間後、14時間後と低下。疲労度と活気度の調査では、運動後に疲労度は増加し、活気度は低下した。

 継続運動後(②)でもやはり、どちらの樹状細胞も活性が低下。活気度は変わらずだったが、疲労度は増加した。

「激しい運動の継続で樹状細胞に“オープンウインドウ”状態が起こり、疲れと免疫に関係があることを、世界で初めて確認できました」(島田医師=以下同)

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