灼熱の夏を乗り切る知恵と裏ワザ

天皇陛下は脳貧血に 熱中症予防には“首冷却”を30分に1回

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 熊谷で国内最高気温となる41.1度を記録した23日、全国的に熱中症で亡くなる人が相次いだ。歴史的な酷暑に倒れる人は多くが高齢者だが、被災地ではがれきなどの撤去で疲れた50代、60代の人が命を落とすケースも見られる。愛知では、課外活動から戻った小1の男子生徒が急死。熱戦が続く各地の甲子園予選では、応援に訪れた生徒や保護者が救急搬送されることも珍しくない。

 命を奪う灼熱地獄を乗り越えるには、老若男女を問わず、とにかく冷やすことに尽きる。では、どこをどうやって冷やせばいいか。

 東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巌医師が言う。

「今月2日には、天皇陛下が脳貧血によるめまいと吐き気によって公務を休まれるという報道がありました。熱中症の症状として要注意なのが、脳貧血です。体のどの部分を冷やせばいいかというと、首を真っ先に冷やすこと。特に外出中は、30分おきに冷やすのが無難です」

■「夏こそカレー」が正解の根拠

 体は温まると、血管が開く。それで十分な血液が流れていれば問題ないが、脱水などで血液量が少ないと、脳貧血を招く。“ホースは太いのに、水量が乏しい状態”が危ないという。

 西日本豪雨の被災地で復旧作業を手伝うボランティアは、20分に1回、10分の休憩が義務付けられている。作業に熱中するあまり、体の冷却や水分摂取が手遅れになるのを防ぐためだ。

「熱中症による脳貧血でめまいや吐き気などがあると、水を摂取したくてもできないし、摂取する気もなくなります。だからそうなる前に時々、冷やして血管を締めて、脳貧血を防ぐのです。水をこまめに飲んだ方がいいのも、同じ理由。それができず、搬送される人が相次いでいるのです」

 高齢者は、暑さに鈍感だったり、トイレが近くなるのを嫌ったりする。外出中の人もトイレ問題があるかもしれないが、熱波を乗り切るには、30分に1回の冷却だ。

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