独白 愉快な“病人”たち

落語家・柳家花緑さん 視聴者からの質問で発達障害を確信

柳家花緑さん(C)日刊ゲンダイ

 ボクは病気が分かって救われました。大人になってからも劣等感を抱えていましたから、「脳の障害なんだ」と寄りかかれるものができて初めて楽になれたのです。でも、身内は障害を認めたがらない。だから身内に相談できない同志がボクのフェイスブックをよりどころにしてくれています。

 見た目は普通なので、できないとサボっているとか、ふざけていると思われがちな病気です。だからボクのような者は、「そうじゃない、こういう病気もあるんだ」と発信する義務があると思っています。

 空気を読む努力や本を読む努力はずっと続けています。普通の人の何倍も脳を使わないとそれができないので疲れやすく、睡眠は8時間を心掛けています。おかげさまで読み書きできる漢字はだいぶ増えました。ただ、台本の漢字にはすべてルビを振ります。さっきまで読めていても「ラスト1回」といったプレッシャーで、急に読めなくなるからです。

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