糖尿病の原因の14%が…大気汚染が引き起こす意外な病気

 汚れた空気は心筋梗塞リスクを上げる可能性がある。川崎医科大学総合内科学3教室の小島淳教授らは黄砂と心筋梗塞の発症との関係を調べている。その研究論文によると、2015年3月までの5年間で熊本気象台が黄砂を観測したのは41日。同期間中に熊本県内で発症した急性心筋梗塞3713人を調べたところ、黄砂が観測された翌日に急性心筋梗塞を発症したケースは有意に多かった。小島淳教授が言う。

「急性心筋梗塞は冬に多く夏に向かって発症件数は減っていく。ところが、3~5月の黄砂が飛んでくる時期に、わずかながら発症数が上がることが研究のきっかけです」

 黄砂は粒子の大きさによっては肺胞にまで達する。黄砂による心筋梗塞発症のメカニズムはわかっていないが、酸化ストレスや炎症が関与していると考えられている。動脈硬化の粥状プラークを破裂させ血栓ができることで急性心筋梗塞を発症させるという。

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