WHO「ゲーム障害」認定 “依存しやすい脳”はスマホが生む

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 本当に病気か。世界保健機関(WHO)が28年ぶりに国際疾病分類(ICD)を改定。「ゲーム障害」を精神障害のひとつに認定したことで、ゲーム好きの間でそんな論争が沸き起こっている。すでに認定されている「ギャンブル障害」と同じくくりだが、「叩きやすいゲームが矢面に立たされている」と言うのは、ITジャーナリストの熊山准氏だ。

「“ネトゲ廃人”といわれるように、心身に障害をきたすほどゲームに熱中する人は確かにいます。でも、それはごく一部です。課金による損害も破産するほどではなく、ギャンブルと同列に扱うのは違和感があります」

 ICDでは、ゲーム障害の定義を「時間や場所を問わずやってしまう」「日常生活よりも優先してしまう」「悪影響があると分かっていてもやめられない」といった状態が12カ月継続することとしている。

 仕事の合間や寝る前にスマホゲームをちょっとプレーするくらいなら問題なさそうだ。当のWHO委員のポズニャック博士も、CNNのインタビューに「世界中の何百万人ものゲーマーが、ゲーム障害患者として認定される可能性は極めて低い」と答えている。今回の認定は、“気を付けろ”という警鐘のためらしいが、ゲーム障害に陥る可能性はゼロではないし、子どもだけの問題でもない。

 医師で作家の米山公啓氏(神経内科)が言う。

「脳はある種の刺激に慣れると、より強い刺激を求めるようになって、“依存しやすい脳”になります。そうなるのに、若者も高齢者も関係ありません。ハードルが低いほど依存しやすいので、より身近なスマホゲームは注意が必要です」

 前出の熊山氏も「今、スマホで流行している集団型シューティングゲームのプレーヤーはほとんど大人。やり始めると抜けられない中毒性があって、徹夜でプレーして会社に遅刻するサラリーマンはザラにいます」と言う。

「自分がまさか」と笑うアナタも、実はゲーム障害の一歩手前だったりして……。

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