専門家もやっている酷暑対策

水と塩分を上手に補給 昼の外出時間にもちょっとした工夫

キウイと塩コンブがカギ
キウイと塩コンブがカギ(C)日刊ゲンダイ
医学博士 本多京子さん

 先週は埼玉県熊谷市で41.1度の歴代最高気温を記録。東京都青梅市や岐阜県多治見市でも40度(いずれも23日)を超え、列島各地が酷暑にさらされた。関東地方は週末にかけ熱波が一段落したものの、西日本では37~38度台が続いた。まだまだ油断はできない。今週は、医療関係者、猛暑の被災地を飛び回るリポーター、警察官ら専門家が実践している暑さ対策を聞いた。

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 専門家のトップバッターは、管理栄養士で医学博士の本多京子さん。栄養のプロが日々心掛けていることは――。

「まずは朝食をキチンと取ること。普段私たちは毎日1.5リットルの水と食事や果物からほぼ1リットル、合わせて約2.5リットルの水分を取って健康を保っています。朝ごはんをシッカリ食べることは、必要最低限の水分を取ることにつながります。

 また、猛暑の年は、とにかく汗をかくことが多い。発汗が多ければ当然、塩分喪失量も増えます。塩分補給の意味では、コップ1杯の冷たい氷水に塩コンブを一つまみ入れ、かき回して飲んでいます。外で汗をかいて戻ったときなどにピッタリ。手軽ですし、スポーツドリンクは糖分が心配という方におすすめです」

 ズボラな独身男性でも自宅で簡単に実行できそう。暑い日の習慣にしたい。

「もうひとつ大事なことは、ビタミンCの補給です。

 今年のような異常な暑さは大きなストレスですから、“ストレス対抗ビタミン”であるビタミンCを積極的に取るのが正解。私は毎朝、熟したキウイを1~2個食べます。黄色いゴールドキウイだと1個で1日のビタミンC摂取量がまかなえる。そのままでもいいし、私はヨーグルトと一緒に食べます。これだと、タンパク質の補給と同時に、整腸作用も期待できます」

 キウイは1個60~70キロカロリー程度とカロリーが少ない点も押し材料だ。

 どっと汗が噴き出したときは、アイスクリームに手が伸びがちだが……。

「アイスは糖分の過剰摂取の恐れがあり、夏太りの原因になりかねません。それなら、キウイの皮をむき1センチくらいに切って平らに並べて冷凍室へ。シャーベット状にしたモノをガリガリ食べましょう。私も作りますが、汗が引きますよ。食物繊維とカリウムも補給できるというオマケもある。ぜひ試してください」

 スーパーの果物売り場に走ろう。

最低1日1リットルの水分補給を
最低1日1リットルの水分補給を(C)日刊ゲンダイ
医師 富家孝さん

「ボクは心筋梗塞と心臓のバイパス手術をやってますから、一番気を付けているのは水分摂取です。万が一、次に来るとしたら血管系の脳梗塞か心臓発作が心配。猛暑の年は寝ているとき、特に明け方ごろに梗塞の発作が起きやすい。血液がドロドロになっていますからね。この対策として、最低1日1リットルの水分摂取を。朝起きてすぐ、午前中、午後、夕方、寝る前にそれぞれ200ミリリットルを目安に水を飲む。特に寝る前は欠かせません。70歳を過ぎると、同世代の人たちはトイレが近くなるとか言いますが、命あってのものですよ」

 こう言うのは、医師でジャーナリストの富家孝氏。日中、外出するときは、「ミネラルウオーターのペットボトルを必ず持ち歩く」という。

「もし、平日の35度前後の日に、昼に打ち合わせがあったら、終わっても家に帰らず映画館に避難します。だって、午後2~4時ごろは一番暑い。こんな時間帯に動き回るのは自殺行為。映画館は平日の日中ならガラガラで涼しいし、しかもシニア料金で安い! 図書館は白髪頭の老人でいっぱいだそうですが、映画館は快適ですよ~」

 高齢者や子供は熱中症になりやすいといわれている。なるほど、賢明な選択に違いない。

「夜は寝室のクーラーをドライにして、直接風があたらないようにつけっ放しで寝ています」

 70歳以上の人はご参考に。

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