S病院では、CTとMRI検査の後に前立腺の生検が行われ、10個の検体のうち2個にがんが見つかりました。その後の骨シンチ検査で骨転移はなく、全体の所見から低リスクと診断され、治療はせずに定期的にPSA検査などで経過を見ることを勧められたと言います。医師からは「がんが早期の場合、手術をしても放射線治療をしても、何もしない場合と比べて10年生存率は変わらないという海外のデータもある」と言われたそうです。
ところが、Oさんの不安は消えません。
「私は、ずっとがんを抱えたまま生きていくのでしょうか? 食べたら悪いものとか、がんを消す何らかの方法はあるのでしょうか?」
そう訴えるOさんに、私は「まずはS病院の泌尿器科で定期的に検査を続け、普段は健康と思って生活してよい」ということをお話ししました。
がんと向き合い生きていく