医者も知らない医学の新常識

ダイエットは週2日だけでいい? 毎日実践と効果に違いなし

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 肥満は多くの生活習慣病の原因となり、その改善のために多くのダイエット(減量)法が考案されています。テレビや雑誌でも連日のように新しい減量法が紹介されていますが、そのほとんどは科学的裏付けが乏しい、という点には注意が必要です。

 確実なダイエット法はカロリー制限です。以前は同じカロリーであれば、糖質でもタンパク質でも脂質でも同じと考えられていたのですが、最近では同じカロリーでも、糖質は太りやすいけれど、タンパク質や脂質は太りにくい、という考え方が医学的にも正しいと、専門家にも認知されるようになっています。

「カロリー制限も毎日でなければ効果がない」というのが以前の常識でしたが、これも変わりつつあります。

 最近の米国医師会雑誌の姉妹誌に注目の論文が掲載されました。糖尿病改善目的のカロリー制限のダイエットとして、毎日1200~1500キロカロリーくらいのダイエットを継続する方法と、週に2回だけ1日500~600キロカロリーという、厳しいカロリー制限を行い、それ以外の日は自由に食事を取ってもらう方法とを比較したものです。

 その結果は、両者の効果に違いは認められず、患者さんのストレスは週2日の方がはるかに少なかった、というのです。科学的なダイエット法も、日々変わりつつあるようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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